エンディングはスタンド・バイ・ミーで宜しく頼む

常に冷静沈着、無表情、チート忍術で相棒のケン一氏のテンションを上げたり下げたりする伊賀の忍者ハットリくん

普段の彼の姿からは想像もつかないが、ハットリくんが涙を流す回があるのをご存知だろうか。

アニメ第187話「忍法虫変化?!の巻」である。

 

ある日ケン一が学校から帰ると、テレビのクイズ番組に当選したことを知らせるハガキが届く。家族が勝手に応募していたのだ。

優勝賞品はヨーロッパ旅行とあって、お父さんは大張り切り。ケン一にクイズの猛特訓を施すが、人一倍のあがり症とあってケン一は本番前にハットリくんに「緊張をほぐす忍術を授けてくれ」と懇願する。

ハットリくんは「拙者がキリギリスに化してついてゆくから安心するように」とケン一を諭す。果たしてハットリくんはキリギリスに化したが、実際にはただのキリギリスを虫かごに入れて渡して自分は隠れ、ケン一を安心させただけなのであった。

 

特訓の甲斐とハットリくんの加護(と思い込んでいる)あってケン一は順調に正解を重ね、ヨーロッパ旅行にあと一歩まで迫る。

ところがテレビ収録のあまりの照明の熱にキリギリスが瀕死の状態に陥っていることに気付いたケン一は狼狽し、目前にある栄光をすべて放棄して泣きながらキリギリスを介抱することを選ぶ。

傍観していたハットリくんも「ケン一氏、そこまで拙者のことを…」と感涙する。そして、このままキリギリスが死んでは二度とケン一の前に姿を現すことができないと悟ったハットリくんは伊賀の里に伝わる秘伝の薬を使ってキリギリスを蘇生させ、元気になったキリギリスが飛び跳ねた瞬間煙幕を張ってキリギリスと入れ替わる。「いやあ、ご心配をかけたでござる…」

 

真の友情は伊賀忍者の覆面すらも湿らせるのでござった、ニンニン。