JAISTの博士前期課程に進学します

TL;DR

2019年10月から北陸先端科学技術大学院大学(Japan Advanced Institute of Science and Technology: JAIST)の先端科学技術専攻、博士前期課程に進学します。フルタイムでの勤務を継続しつつ、修士情報科学)の学位を目指します。

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最大の動機

端的に言うと、この先40年現役でいるための力を養いたいと思ったからです。

以前のエントリに書きましたが、自分は文系学部の学士であり、ソフトウェア技術者として求められる技能はすべて業務内で身につけて来ました。これはそれなりにワークしているのですが、知識はいかにもツギハギであり、時に自分の理解の浅さに恐ろしくなることがあります。

この先の10年は、今までにも増して速いペースでイノベーションが勃興しては消えてゆくはずです。その中にあって、すでに人口に膾炙し書籍で解説されるような知識は競争力となりません。論文を調べて新しいアルゴリズムを自分で見つけ出して実装できるような、根源的かつアカデミックな能力を身につけないと早晩限界がくるなと危機感を覚えています。

それに、これからは人生100年・労働80年の時代が来るなと感じます。僕は今年36歳になりますが、仮に38歳で修士、41歳で博士になったとして1、労働80年時代ではまだ折り返しですらありません。ここでの学び直しという投資は十分すぎるリターンとして返ってくると期待しています。

JAISTについて

石川県に本部を置く国立大学です。
一般的な知名度はそれほど高くないかも知れませんが、情報系の人はLinuxディストリビューションのミラーサーバーで ftp.jaist.ac.jp というドメインに見覚えがあるのではないかと思います。

僕は石川本校ではなく、東京の品川インターシティにあるサテライトキャンパスに通います。

なぜJAIST

明確な理由がいくつかあります。順に書いていきます。

大学院大学

JAISTは「大学院大学」であり、学部を持ちません。このため大学院には幅広いバックグラウンドの生徒が集まります。これには僕のようないわゆる文系出身者や、社会人を経て再びアカデミックの場に戻ってくる人、外国人留学生などが多数含まれます。

大学説明会で見聞きした限り、これらの状況に対処するために修士1年生には比較的みっちりと基礎の足並みを揃えるための講義が集中しているようです。これは僕にとって望むところです。
また修士研究に重きを置いており、修士論文となる主テーマの研究の他に、主テーマと相互に補い合い相乗効果を得られるような副テーマも必修としています2。これは地に足の着いた研究力を養いたいと考えていた自分の志向と合致するところです。

社会人コース

JAISTは社会人コースを設けており、自分もこの区分です。東京キャンパスは品川駅から徒歩5分ほどの品川インターシティ内にあり、自分が進学する情報科学の場合、授業は金曜夜と土日にのみ開講しています。
これが良いか悪いかは個人によりそうです。平日夜に授業がほぼないということは残業が多めの社会人には助かりそうですが、僕の会社のように柔軟な働き方がゆるされ、かつ休日は家族との時間を大切にしているタイプにはチャレンジとなりえます。

とはいえ、授業のメインが平日昼間ではないという時点でたまらなく魅力的であり、時間をうまくやりくりできればフルタイムの社会人として経済的に安定したバックグラウンドを持ちながら修士・博士を目指せる大学は他にそうたくさんあるものではありません。

また、長期履修制度というものが設けられており、端的にいえば修士は2年分の学費で3年、博士は3年分の学費で4年間在籍することができます3。社会人で学位取得を目指す身としてはありがたい制度です。

その他

他にも、国立大学だから学費が安いとか、教育訓練給付制度対象なので標準年限で修了できる人は更に安く通うことができるとか4、友人のJAIST卒業生が皆一様に優秀であるとか5、色々あってJAISTが第一志望校となりました。合格通知が届いて本当に嬉しいです!!

まとめ

最後に、この決断を後押ししてくれたのは妻です。この先修了までには恐らく幾多の困難があると思います。応援してくれた家族に感謝しながら勉学に励みつつ、妻や子供たちとの時間もうまく確保できるように工夫していきたいと思います。先生方、在学生のみなさん、卒業生の方々、色々ご指導ください。


  1. こんなにスムーズに行くとは露も考えていません😅働きながらなので、完遂できるとしても相応の時間が掛かるでしょう。

  2. 主テーマも副テーマも自分で定める。

  3. 長期履修制度 | JAIST 北陸先端科学技術大学院大学

  4. 長期履修制度との併用はできません。

  5. 実はこれが一番大きい動機かも知れません。これはNAIST卒業生の友人にも共通する特徴です。