経費精算の酵素

僕は経費精算ができない。

経費精算とは、業務上必要な買い物のうち個人が立て替えた分を払い戻してもらう行為のことを指している。これが徹底的にできない。

具体例を出したほうがより深刻度が伝わると思い恥を忍んで現状を公開すると、2020年3月にビザの申請費用を立て替えてから本日2021年末近くまで1回も経費精算に成功していない。現在約$3000(34万円)の経費が未精算のまま宙に浮いている。

なぜこんなことが起こるのか

想像を絶するだらしなさ、ルーズさである。

具体例を出そう。この際の心理状況はこうだ。経費精算を成功するためには次のようなNP困難な問題を乗り越える必要がある。

  1. 経費精算システムのURLを思い出す → 思い出せない、死亡
  2. 経費精算システムの使い方を覚える → 覚えられない、即死
  3. 領収書をスキャンする → ない、ゲームオーバー
  4. 名目ごとに分類 → わからない、ラブイズオーバー
  5. 提出 → 勝った…
  6. 差し戻し → 人生の終わり

このステップを経費精算の数だけ繰り返すことになる。実に沢山の諦めポイントが工夫して用意されていることがお分かりだろう。

時には「科目が違いますよ」と差し戻され、また時には「日付がないので領収書として認められません」と差し戻される。そしてあろうことかクレジットカードの利用明細まで提出する羽目になるのだ。こんなことをやるぐらいなら、俺は…俺はこの5万を諦める…!

僕はこういう状況をひと言で「経費精算する酵素がない」と表現している。

領収書はないのか

ある。実はある。

先日も領収書がない経費精算ができないとTwitterで喚いていると、親切な方が何人もメッセージをくれた。

Amazonのサイトからダウンロードできますよ

紛失したら●●で代替できるケースが多いですよ

違うんだ、あるんだ、本当は・・・

もちろん本当に失くしてしまったものもある。しかしそんなのは1割にも満たない。9割のケースで、領収書はちゃんと手元にあるか購入サイトからDLできる。えっじゃあなんで経費精算できないのかって?

酵素がない

例えば会社はオラ●ルだかS●Pだかのしょうもない経費精算システムを使ってるんだけど、これがバチクソにわかりにくい。しかもたまに「航空会社」だの「ホテルの系列」みたいな項目があったりするんですね。で、ないわけですよ、僕が探してるホテル。ドロップダウンメニューにないのよ。…はい詰み。

ここで「僕のホテルないんですけどー?」とか「こういう場合は名目は何になりますかねー?」とか、そんな問い合わせをするぐらいならもう死んだほうがまし、いやいっそお前を●す!ということになるんですね、酵素がないから。

もったいなくないのか

もったいない。

もったいないです、34万円。僕だって欲しい。勘違いして欲しくないんですが、これがワンショット$3000だったら僕も頑張れるんです、だって1発3000ドルの賞金首だから。でも世の中そう上手くできてないじゃないですか、往々にして$150の賞金首が20人ちょろちょろ逃げ回ってて、合わせて$3000なんですよ。

で、上の方の「なぜこんなことが起こるのか」を思い出してくださいよ。やれ僕の航空会社が見当たらない、日付変更線を超える航空券の記入の方法が分からない、領収書がない、ブラウザのセッションが切れた・・・こんなことを20回繰り返すうちにやる気を失うんですよ。

もっと正確に言うとこういう状況を想像するだけで経費精算を始める気持ちすら起こらないんですよ、酵素がないから。

対策

経費精算をしない

これはヤケクソになっている訳ではなく、社員にコーポレートカードを持たせて基本的には信頼して一定額以下なら経費精算自体をしないっていう会社が実在するらしいです、信じられます?でも俺はそんな会社で働いていない、ラブイズオーバー。

経費精算代行

これはヤケクソなんですが、経費精算代行があるなら課金したいですね。僕は総経費精算額の3割なら代行者に手数料として払ってもいいです。今は確実にそれより多くの額を諦めています。昨日も本来なら経費精算できるはずの在宅勤務中の机と椅子とモニタの経費精算を諦めたところです。酵素がないから。

それから経費精算に純粋なイノベーションを期待します。

起業するしかない・・・!

じゃあの。