口が悪いエンジニア論争

通勤の暇にかこつけて今話題の「口は悪いが凄腕の技術者を雇うべきか」論争に対する自分の考えを残しておく。

まず大前提として「技術力も人間力もある」のがベストというのは揺るぎのないものであり、僕もここを目指したいと常々考えている。
その上でだけど、僕は「そうすることが必要な場面では口の悪さに目を瞑って技術力を取る」選択もありだと考える。

みんなこれには一家言あるようだけど、結局のところ全員前提としている状況が違うので意見が異なるのは当然のことだ。ただ僕が言いたいのは「ある種の問題はそれを解決することがそもそもできない絶対的な壁がある」ということだ。

本件に関して様々なツイートを拝見したが「そもそも技術力は育てられるが人間性は中々変えられない」という意見には、後半こそ賛同するものの前半には両手をあげて賛同できない。ある種の課題、プログラマのコンテキストで言えばいわゆるNP困難な問題は中庸なプログラマを100人並べても対処できない。ゼロだ。

なんでもいいんだけど例えば事業の課題としてGoogle Mapを超える最強の地図アプリを作ろうとするじゃない。そしたら最短経路とか求めないといけないけど、これそういう教育を受けてない人には無理じゃないですか。
ダイクストラ法ぐらいならググれば出てくるけどダイクストラ法はコストが負のノードがひとつでもあったら成り立たない。じゃあそれの改良版のコレコレを使いましょうとかね。

こういうのって数ヶ月から数年の教育と訓練と実務で身につける類のもので、人間性の優れた素人プログラマを10人集めても倒せない。こういうとき、酒癖も女癖も最悪だけど一騎当千呂布みたいな武将に力を借りざるを得ないのは仕方ないと思う。

なのでまとめとしては最初に書いたとおり、場合によっては口の悪さぐらいでは引き換えにならないぐらい技術力には壁があるんじゃないかしらということだ。それからこれが1番言いたいことなんだけど、みんな人間性の優れた呂布になろうな。僕も頑張る。