高い高いの高さ

長女は5歳だが、いまでも「高い高いして〜🤭」とよく言ってくる。もう115cm/20kgぐらいあるので、かなり重たい。先日も高い高いをせがまれたが、ちょうど長女が次女の座るバンボを独り占めしていたので「次女ぴちにも座らせてあげないとパパは高い高いしてあげないよ〜」と次女だけを高い高いして遊んだ。

その時はどうということはなかったが、1時間ぐらいして急にソファーに寝転がってブランケットをかぶったまま出てこなくなってしまった。理由を訊いても「答えたくない…😢」と泣きながらうずくまっている。しばらく時間が空いていたので高い高いとの相関に確証がなく、「パパが何か間違ったことをしたかもしれない。次またしないようにちゃんと理由を知りたいから教えて欲しい」と辛抱強く交渉したが、「わたしが悪いからもういいの…😭」と強情だ。

「お父さんとお母さんもよく勘違いして喧嘩をする。どうでもいい人はそれっきりだけど、お母さんは大切な人だから腹が立ってもちゃんと話し合って解決するんだよ。パパは長女ちゃんとこの先も仲良しでいたいからどうしても理由が知りたい」とお願いしたら、ようやく「わたしも高い高いして欲しかった…😭でも次女ちゃんのおもちゃを取ってたからそれでも仕方ないと思って泣くしかなかった…」と明かしてくれた。

なんといじらしいことか…考えてみると、あと3年もしたらこっちからお願いしたって高い高いなんてさせてもらえないのだ。いまこの瞬間お父さんが必要とされる限り、無条件で受け入れてやればよいのかもしれない。それから、この子なりに「高い高いしてくれなくて悲しかったけど、わたしも悪いことをした」と反省しつつやりきれない気持ちをどうにもできなくて泣いているのが愛らしかった。この子はこういうところがある。幼いのに、自分の気持ちだけに100%純粋に欲望を求めることができない。相手を慮ってしまう。それができれば米国での暮らしもどれだけ楽だったろうと思わんでもない。でもそれでよいのだ。これはこの子の美徳であり長所だ。このまま伸ばしてあげたい。
長女が1歳になって初めて保育園に連れて行くときのことをよく覚えている。向こうから同じように娘を抱っこしたお父さんが歩いてきた。僕は60cmの女の子、向こうは120cmぐらいある女の子をそれぞれ大事そうに抱えていた。随分大きくなってもお父さんにしがみつくんだな〜😅と思ったものだが、ついにうちの娘がそうなり、それでもあの頃と変わらず美しい。これから大きくなるに従って、君から見える高さはお父さんに近づき、世界は相対的に小さく普通に見えていくだろう。それでも君がお父さんに近づきたいうちはいつでも肩の上に乗りに来て欲しい。